暗電流と電流電圧特性
11章で述べたように、pn接合においては、電子はn型からp型へは流れやすいのですが、逆方向へは流れにくいという性質があります。
電流は電子の流れと逆向きですから、p型の方に高い電位を与えることで電流はp型からn型に流れますが、逆方向へは少々の電位差では流れません。
すなわちp型に高い電位を与えるのが正方向ということになります。
太陽電池は、pn接合での光励起により、自由電子がn型へ、正孔がp型へと移動します。
これは本来は流れないn型からp型への内部電流を作り出しているわけで、だからこそp型が正極となる形で発電が起きるのです。
ただし、光励起がないと、電流はむしろp型からn型へと流れます。
これを暗電流と呼びます。
p型とn型を外部でショートさせると暗電流は流れませんが、そうでない場合は短絡電流と反対側に暗電流が流れることになります。
暗電流は短絡電流の値を減らす方向に働きます。
開放電圧が生じるのは電流が0の時ですから、短絡電流と暗電流とがつりあう状態といえます。
大まかにいって、暗電流値はp型とn型の電位差Vの関数として、V=0(ショートに相当)から最初は少しずつ増え、やがて指数関数のようにぐんぐんと増えていきます。
それ以外にも外部抵抗による電圧降下などもあって状況は複雑なのですが、とにかくp型からn型へと外部の回路を流れる電流Iは、短絡電流より下がることになります。
すなわちVの関数として、図の赤い実線のような形状を持ちます。
これを電流電圧特性と呼びます。
一方図の紫の実線は、回路につなぐ抵抗を表わしています。
すなわちこの実線とI軸とのなす角の正接(tan)が、VとIの比になっているわけです。
この抵抗を決めることで、電流電圧特性曲線上のある点が指定でき、それが太陽電池の電圧や電流となるわけです。


