エネルギーのバンド構造と半導体

4~7章で説明したように、原子は原子核の周りを核外電子が回るという形をしており、その電子は飛び飛びのエネルギー準位を持っています。

原子が1つだけなら、エネルギー準位は5章の<関係式4>を満たすような、幅のないカッチリとした数字です。

しかし原子の数が増えると、それらがほぼ連続的につながったバンド構造となります。

ただしその場合でも、すべての値がつながっているわけではありません。

途中にバンドギャップ(禁制帯)が生じ、いわば最低位エネルギーバンド、第2位エネルギーバンド、・・・という形になります。

普通は電子は可能な限り低エネルギー状態から埋まっていくのですが、絶縁体というのは、それによりバンドが下から埋まってきてちょうどいっぱいになったような状態です。

こうなると完全に渋滞した道路と同じで電気は流れません。

このような低エネルギーバンドを価電子帯といいます。

一方導電体というのは、その上位にあたるバンドが完全には埋まっておらず、その中を電子が自由に動ける状態です。

このバンドを伝導帯といいます。

価電子帯と伝導帯の間の、電子が存在し得ない部分を禁制帯といいます。

それでは半導体とは何でしょうか。

簡単にいえば電気抵抗特性(比抵抗)が、金属のような導電体と、ガラスやゴムのような絶縁体との間にくるような物質です。

比抵抗とは、オーム・センチメートルといった単位を持ちますが、これは一辺が1センチメートルの立方体の、ある面と向かい合う別の面との間の抵抗値です。

この抵抗値は、その面の面積の二乗に反比例し、また面の間の距離に比例します。

すなわち同じ材質で一辺が2センチメートルの立方体を作って同じように抵抗値を測ると、それは面積効果で1/4倍となり、長さ効果で2倍になるので、差し引き1/2倍となります。

だから単位としては、抵抗値に長さを掛けるのです。

とはいえ単に比抵抗が中間的な値を持つだけでは、材質として面白味がありません。

電気抵抗特性をより積極的にコントロールできることが、半導体が重宝されるゆえんです。

そのコントロールの代表的な方法が、次章で述べるように不純物を加えることなのです。

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