変換効率とバンドギャップ

曲線因子は、開放電圧や短絡電流が固定された上での太陽電池の出力として意味のある値ですが、これが変換効率を与えるわけではありません。

太陽電池の変換効率は、以下のように与えられます。

最大電力/単位時間に入射する太陽光のエネルギー曲線因子は0.7~0.8程度と述べましたが、変換効率はそれよりずっと低く、シリコン単結晶など比較的効率のよい材質でも、せいぜい現状は0.25くらいです。

理論的にも0.3くらいと考えられています。

これはある特定の原因でそうなるのではなく、いくつかの要因で下がっています。

主な要因としては、以下のことがあげられます。

■光の一部が反射や透過され、そもそも太陽電池に取り込まれない
■光子エネルギーがバンドギャップに届かないものは使えない
■光子エネルギーがバンドギャップより大きいと残りがムダになる
■得られた自由電子と正孔が表面で再結合しムダになる
■得られた自由電子と正孔がバルクで再結合しムダになる

シリコン単結晶のバンドギャップは約1.1電子ボルトです。

それと同じくらい高い効率が得られているガリウム砒素のバンドギャップは約1.5電子ボルトです。

13章で述べたように、バンドギャップが大きくなると高い開放電圧が得られます。

それに伴い、Vmも大きくなることが期待できます。

ならばもっと大きなバンドギャップを持つ物質を探せばいいのではないでしょうか。

しかしバンドギャップが大きくなるということは、太陽光の中で、それに見合うエネルギーを持つ光子の割合が少なくなるということです。

すなわち短絡電流は下がってしまうのです。

このトレードオフの結果、結局1.4電子ボルト程度のバンドギャップが、一番高い効率を与えることがわかっています。

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