光による電子の励起(数式による説明)

5章の<関係式4>は、以下のように書くこともできます。

E = -(m*e**4/(8*ε*ε*h*h))/(n*n)---<関係式5>

ここでm*e**4/(8*ε*ε*h*h)は定数なので、kとおきます。

またnは円軌道の周囲の長さが波長の何倍かという自然数です。

1、2、3、・・・という値をとります。

するとこのnの値に応じて、Eは以下のようになります。

E = -k/1、-k/4、-k/9、・・・。

位置エネルギーを定義するさいに、無限遠で0としていますが、これはnが無限大ということで、実際にk/(n*n)は0になります。

nが有限の値の時は、無限遠にはなりません。

そこから電気的引力にさからって(つまり仕事をして)電子を無限遠に引き離してやっと0になるわけですから、nが有限の時の位置エネルギーはマイナス値です。

そのマイナス値の中で一番絶対値が大きい、すなわち位置エネルギーが最小となるのは、n=1の時の-k/1であり、その次に小さくなるのはn=2の時の-k/4です。

この両者の差は3*k/4となりますが、これはn=1という最小エネルギー準位と、n=2という2番目に小さいエネルギー準位との差となります。

逆にいえば、-3*k/4以上のエネルギーを与えれば、最小エネルギー準位にある電子はその上の準位に移ることができるわけです。

太陽電池の場合、そのエネルギーを光から得るわけです。

波長がλの光は、粒子とみた際に、h*c/λというエネルギーを持ちます(cは光速)。

ですから通常の水素原子における一番内側の核外電子を、光をあてることでその1つ上の準位に移動させるためには、以下の条件を満たさなければなりません。

3*k/4 ≦ h*c/λ---<関係式6>

λについて整理すると、k=m*e**4/(8*ε*ε*h*h)なのでこうなります。

λ≦32*c*ε*ε*h**3/(3*m*e**4)---<関係式7>

・c=3.0*10**8メートル/秒

すなわち波長は一定以下でなければなりません。

ほかの原子に関しても、最小エネルギー準位からその上の準位に移るための光の波長の最小値が同じように与えられます。

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