最適動作点と曲線因子
前章で述べたように、太陽電池は、外部の抵抗を適当に調節することで、電流電圧特性曲線上の点の電流や電圧を実現することができます。
たとえば図のように電流電圧特性曲線が与えられた時、Aという点もBという点もCという点も、実現可能です。
これらについてもう少し見てみましょう。
A点は、抵抗値が比較的低い場合です。
ここでは比較的大きな電流が得られていますが、その反面、電圧はあまり得られていません。
B点は、抵抗値が比較的高い場合です。
ここでは比較的大きな電圧が得られていますが、その反面、電流はあまり得られていません。
C点は、抵抗値がほどほどの場合です。
ここでは電流も電圧も、そこそこ大きな値が得られています。
そして発電装置にとって通常大切なのは、電流そのものでも電圧そのものでもありません。
電力です。
特に暖房や給湯などに用いる場合はそうです。
交流の世界に持ち込めば、電圧や電流は適当に変えられますが、電力を無条件に増やすことはできません。
電力とは電圧と電流の積です。
すなわちA点でいえば、縦じまの長方形の面積となります。
B点でいえば、横じまの長方形の面積です。
そしてC点でいえば、斜めじまの長方形の面積です。
直感的にわかるように、A点もB点も、大きな電力を与えません。
それに対してC点は、かなり大きな電力を与えています。
電圧と電流のバランスがよいのです。
一番大きな電力を与える点は、このC点のすぐ近くだと思いますが、そこを最適動作点といいます。
そこにおける電圧をVm、電流をImとすると、最大電力はVm*Imで与えられます。
一方、電圧の最大値は開放電圧Vocです。
電流の最大値は短絡電流Iscです。
両者の積Voc*Iscは、最大値同士の積ですから、当然Vm*Imより大きくなります。
図の点線の長方形の面積に相当します。
(Vm*Im)/(Voc*Isc)を曲線因子といいます。
原理的に0と1の間の実数ですが、通常0.7とか0.8あたりです。
開放電圧も短絡電流も動かせない場合でも、うまく曲線を作り出してこの曲線因子を高めることができれば、太陽電池としての性能は向上したことになります。


